本が出来るまで5 ワルツ

こんばんは。久しぶりに鉄棒で逆上がりをやってみたら、案外できるもんで嬉しかったはせがわです。書店さんを回ってみたところ、それなりにちゃんと売れているそうでよかったです。
さて、「本が出来るまで」には本当に紆余曲折があり、書いても書いても現在に追いつきません。なるべくサクサク紹介しましょう。今日は2月〜6月、執筆作業の話です。
当初は、夏休み前の7月刊行を予定していました。というわけで、3月いっぱい、遅くともゴールデンウィーク明けに原稿を書き終わると理想的でした。完成原稿(塾で使っていたテキスト)もあることだし、わりとすぐに書き終わるかと思っていたし。
それが、全然終わらないのデス。内容を凝りすぎたというのもありますが、なんといっても忙しかったからです。2月〜4月にかけては、原稿の他に、卒論の準備を始めたり、そして就職活動をしなくてはなりませんでした。どれか1つでも結構大変なのに、3つ同時に来ると、もうどうすればいいのか分かりませんよ。
どれも深く考えなければならない類のもので、タイムマネジメントや、気持ちの切り替えに苦労しました。ある会社の面接でのやりとり。「今までで一番大変だった時期はいつですか」「今ですね。3つ同時並行なので」「なにか工夫はしていますか」「とりあえずBGMをワルツにしてみてですね、三拍子にのせてトントントンと進めようとしているのですが、なかなかうまくいかないものですねぇ…」。…これがまた全然ウケなかったのデス(苦笑)。面接官も、真顔の冗談は想定外だったようで。ちなみに、この問答をした会社に就職する予定です。
打開策はいろいろ試してはみたんですけどね。夜寝る前にお星さまにお願いするとか。「時間よ止まれ」と祈ってみるとか。空港に行って「助けてください!!」と叫ぶとか。(お星さまは実話です)。
とまぁ、今でこそ冗談のように語れますが、我ながらよく乗り切ったものよ…と思います。あまりにめまぐるしくて当時のことはよく覚えていません。詩歌のことばかり考えている間に卒論のテーマが決まり、古文のことばかり考えている間に内定先が決まりました。
で、ゴールデンウィーク返上で四六時中執筆していたのですが、当初の〆切だった連休明け時点で完成した原稿は、詩歌編と古文編のみ。論説・小説・詩歌・古文・作文の5分野を網羅することが売りなので、半分も終わっていないことになります。という訳で、5月6月は、これまたよく覚えていないくらい執筆に没頭しました。
どう考えても終わらないので、出版甲子園のスタッフに泣きついて、リサーチを手伝ってもらいました。これがまたひどい話で、たとえば「指揮者のフルトヴェングラーが、『感動は観客の中ではなく、観客と演者の間にこそある』という趣旨の発言をしていたような記憶があるので、原文を探して」といった面倒極まりないお願いでした。にもかかわらず、一生懸命無償で働いてくれたなっきーさん(編集局長)、ごとうくん(総務局)、そしてころちゃん、ありがとう。
6/1、ダイヤモンド社において打ち合わせが行われ、原稿の最終〆切と、大体の刊行予定(8月末〜9月)が決まりました。6/18早朝、作文編の原稿をメールで送って無事提出。6月末、脚注用のデータを後追いで提出。めでたく脱稿したのでした。
しかし、原稿を書き終えただけでは本は完成しません。その後の編集作業も、今まで以上に波乱万丈な展開を見せるのですが、…それはまた別の話。