クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ [DVD]

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クライマーズ・ハイ (文春文庫)

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

1985年の日航機墜落事故当時の、地方新聞社の1週間を描いた作品。横山秀夫原作で、NHKでドラマ化されました。どちらも面白い!ドラマは昨年末に放映されたのですが、今日・来週と再放送するそうなので、急いで取り上げてみます。
報道という「答え」の無い作業に、苦悩し、ぶつかりあう様子は圧巻です。

こわいかい、それでいいんだ。そのこわさから目をはなさずにいればいい。(中略)だったらまた書け、書けばいい。ことばはそこにいつづける。感情とは違う生き物だ。自分で背負ってくしかないんだよ。誰だってこわい。僕だって同じだ。だから、また書く。

これは、佐藤浩市演じる主人公のセリフ。(ネタバレ失礼)。主人公は新聞記者なので、少しおもむきは違いますが、自分にとって非常に感慨深いものでした。
本を書く作業は、実はとってもこわいことです。大なり小なり影響力があることですし、お金をだして買っていただくものです。内容に対して責任がありますし、(嫌いなことばですが)「相応の価値を提供」しなければなりません。
とにかく誠実に、真摯に立ち向かえばいいのだ。それですべて許されるわけではないけど、そうするしかない。…長く続く執筆作業における、心のよりどころになった作品でした。