さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

著者の山田真哉さんが、出版甲子園の特別審査員を務められるということで、遅ればせながら読んでみました。会計について分かりやすく書いた、130万部突破の大ベストセラーです。
前書きで、「まずは会計そのものに興味を持ってもらい、その本質を大まかにつかんでもらうことこそが、本当の「会計の入門」になるのではないか」と書かれていますが、その意図はかなり達成されているのではないかと思います。「さおだけ屋」といった身近な話題から、会計の大まかなところをつかめるようになっています。「ものたりない」という批判もでてくるのでしょうが、初歩の初歩の入門書として、会計に関係ない人にまでそのエッセンスを紹介した手腕は、すごいなぁ…と思います。
ちなみに、ベストセラーと比較するのも恐縮ですが、私の本も、めざすところは似ているのです。すなわち、「国語そのものに興味を持ってもらい、本質をつかんでもらうことが、国語の力をつける突破口になる」、と。だから、点字ブロックや、長澤まさみさんや、柳家小さん師匠や、ワールドカップサッカーや、ミツバチダンスや、サンタクロースや、ドリフターズや、のだめや、十割そばといった、あらゆる話題を紹介しながら、国語の本質や問題のとき方について、説明したのです。
ただ、私の場合貧乏性というか凝り性というか意気地なしというか、「入門書」と覚悟を決めてバサバサ原稿をカットすることが出来ず、同時に「発展的内容」もかなり盛り込んで、「力をつけたその後」まで紹介してしまったため、この通り盛りだくさんで分厚くなってしまったのですが…。ま、それはそれでちゃんと楽しめるはずです!